どうぶつひろばでは8月から9月にかけてニホンザルの訃報が続きました。
2010年生まれ メス「まお」 急性心不全のため死去
1999年生まれ オス「ともき」 精巣腫瘍からの多臓器不全のため死去
2008年生まれ メス「はるみ」 検査中
2010年生まれ メス「なお」 検査中

「まお」
大人しい性格のメス猿でした。

「はるみ」
ボス猿の第一夫人?で、少しワガママなところがありました。

「なお」
目元の彫りが深く目力が強いメス猿でした。
我が子ではないカンちゃんに気に入られ、
甘えてくるカンちゃんを甲斐甲斐しく世話する一面もありました。
そんな「まお」「はるみ」「なお」はいずれも群れの中で順位の低い個体でした。
縦社会の集団の中で生きるニホンザルにとって、
順位が低い個体は、餌の獲得競争に負けたり、時には攻撃を受けることもあり、辛い思いをする機会が多かったことでしょう。
群れにうまく適応できないからといって、群れから引き離して単独で飼育するのはニホンザルの心の健康に不利益をもたらすため、
毎日世話をしている飼育スタッフとしては見ていてとても悩ましい所です…
3匹とも、今は安らかに休んでいてほしいと願います。
そして、長年ボス猿の座にいたオス「ともき」。

表情や仕草がやたらと人間くさい所がとても魅力的なニホンザルでした。
何と言ったらよいか、ともきだけ、中に人が入ってる?と疑うほど人間味があったのです。
ここ数年はすっかりお爺ちゃん猿の容貌になっていましたが、人間くさい表情や仕草は変わらず、
腕っぷしも衰えず、群れの中で争いが起ころうものならすぐさま仲裁に入り、ボス猿としての責務を全うしていました。

死亡前日最後の写真。
最後まで立派なボス猿だったともき。頑張って生きたねと褒めたいです。
ともきの死亡によりボス猿が不在となってしまいましたが
新たに最年長となったオス「こうた」が、尻尾を逆立て、威風堂々と群れの中を歩いてボスのように振る舞っています。
新しいボスはいつの間にか決まってしまったようです…!
次世代のニホンザル群れの猿生は、これからも続きます。